塗装費用の内容

1.外壁下地補修工事

まず、外壁のひび割れを補修する方法としては次のような工法があります。

■シール工法
ひびの幅が小さい場合は下塗り材(フィラー等)をそのままひびに沿ってハケ塗りします。
■Vカットシール材充填工法
ひび割れの部分をサンダーにてVカットし、ひびを拡幅してからシーリングを充填します。
■エポキシ樹脂注入工法
ひび割れに沿ってエポキシ樹脂を圧入する工法ですが、Vカット工法に比べ、約3倍〜4倍の費用がかかります。

2.外壁塗装費
(1)下塗り 微弾性アンダーフィラー
(2)中塗り シリコンセラ
(3)上塗り シリコンセラ

まず、下塗り材は大きくわけてシーラーと微弾性フィラーに分ける事ができます。
■シーラー
弾性なのでシーラーの一番の目的は上塗り材との接着をより強めるためと上塗り材が下地に浸透してしまうのを防ぐためにあり、粘性のないサラッとした液体ですので厚い膜にはならず、ひび割れのひどい外壁などには、ひびを埋めたりする効果は殆どありません。
■微弾性フィラー
シーラーより膜が厚く、小さなひび割れや凹凸を隠してしまう性能を有しています。
■薄塗り、厚塗り
微弾性フィラー等、弾性を有する材料はローラーの種類によって、薄塗りや厚塗りができます。現状の外壁がリシン吹き付け等で仕上げている場合等では厚塗り用のローラーで、いわゆるマステックローラーや砂骨材ローラーと呼ばれている多孔質ローラーで、さざ波のような模様をつける事ができます。又、現状の外壁でボンタイル仕上げやスタッコ仕上げである場合は、ウールローラー等で現状の下地の模様を損なわず、仕上げる事ができます。

中塗り、上塗り材は配合される樹脂の成分により以下のように分けられます。
ちなみに、新築の場合は、殆どアクリル樹脂塗料が使われています。


■水性と油性
使用する希釈材によって水性か油性かに分かれます。水で希釈できるものが水性で、キシレンやトルエン等で専用の希釈材を使用するのが油性です。水性塗料は発売当初のイメージが強く、耐久性が悪いのではないかと思われがちですが、最近の水性塗料は水が蒸発する事で反応が始まり、乾燥後は油性塗料に引けをとらない製品がたくさん出てきております。一概にどちらが良いのかは断定出来ませんが、状況に応じて使いわけるのがベターだと思われます。

3.屋根塗装費
■下塗り
普通は屋根用シーラー(一液ベストシーラー等)で対応できますが、劣化が著しい場合は屋根用フィラーを使用することがあります。

■上塗り
樹脂成分によってアクリル、ウレタン、シリコンの3種類に分けられますが、弊社ではその中でも耐候性の良いシリコン樹脂塗料をお薦めしております。なお、最近では特にコロニアル瓦の塗装用として今まで以上に遮熱性を帯びた「デュラクールSi」という新しい商品も開発されています。

遮熱性屋根塗料「デュラクールSi」の特長
1.熱の原因となる近赤外線領域の光を効率よく反射
2.変性シリコン樹脂で高耐久性を実現
3.省エネを実現し地球温暖化防止に貢献
4.防藻、防カビ機能


このように熱貫流量の差が約88,800kcal!!もあり、エアコンの消費量が少なくてすみ、電気代節約にもなります。

4.付帯塗装費
■破風板、鼻隠し板
破風板や鼻隠し板は木製である事が多いです。木は水分を含んでおり、気温や湿度の変化によって絶えず吸収と放出をくり返し、又、木材自体も伸縮しています。又、木は水と同様に塗料も吸い込みますので「密着性」といった意味での下塗りは必要ありません。むしろ吸い込み防止に下塗りを入れます。塗料の種類としては、SOP、OP、ウレタンなどがあります。

■合成樹脂調合ペイント(SOP)
一般的に「ペンキ」と呼ばれているのものは、これを指します。安価なので新築や塗り替えの大半で使用されていますが、塗膜が硬く、又、透湿性もほとんどがないので、しばらくするとバリバリとはがれてきます。2〜4年位での塗り替えが必要です。

■油性調合ペイント(OP)
粉状に劣化していくのでSOPのようにバリバリはがれる事はありませんが、ツヤがなく、光沢もありません。

■ウレタン樹脂塗料
塗膜が木材の呼吸を防げないように、又、伸縮にも追随できるように、弊社では弱溶剤系ウレタン樹脂塗料(ファインウレタン等)を使用しています。

■雨樋
樋はほとんど塩ビ製です。塩ビは光、熱、雨等の影響で劣化していきますので、次第に曲がってしまって勾配がなくなり、雨水が流れにくくなったり、硬化して割れやすくなったりします。塗装をすれば紫外線による劣化をある程度食い止める事ができるので、樋が長持ちします。

■雨戸
多くのサッシ雨戸は波板の部分がカラー鉄板で出来ています。従ってこの部分を塗装するのですが、ケレン作業ののち、ウレタン樹脂塗料を塗装します。

■その他の鉄部
鉄板部分は特に錆が発生している場合が多いですので充分ケレン作業を行います。そして、すぐにハイポンファインデクロなどで錆止めをし、上塗り塗装を行います。

5.足場仮設費
最後に、足場仮設費ですが、大体30坪〜40坪位の建物の場合で、約4人役から6人役、45坪〜50坪位の建物で8人役〜10人役かかります。
職人一人当たり、賃料が15,000円として、4人役の場合で6万円、9人役の場合13万5000円位かかります。u当り単位にしますと、約700円位です。